物事が続かない、継続力がない…。「自分に甘い」を直すには?

本

 

今回はいただいた質問の回答です。

 

私は子どもの頃から継続すること、習慣化がとても苦手です。
恥ずかしながら歯磨きも習慣化できていないです。
毎日頑張ってやっている状態です。
やらなきゃ虫歯になる、と思いやっています。
歯磨きを楽しもうといろんな味の歯磨き粉を用意したりしてもだめでした。

 

日記もダイエットもしばらく続いて数ヶ月続けても習慣化ならないので数日止まるとダメになってしまいます。
ベビーステップで継続しやすい、習慣化しやすいといいますが、

ベビーステップだとなおさら『今日くらいいいや』や『明日やろう』が続いてしまい逆に三日坊主になってしまいます。

 

スマホのアラームで毎日同じように行動する時間を決めて生活してみようとやってみましたが、
『今日はいいや』と、なってしまいやりません。
自分に甘すぎます。

 

どう対処したら良いのでしょうか。
自分を好きになりたいのだけど、
習慣化の本などで『歯磨きするように習慣化できます』と見ると、
私は一生変われないのだろうかと思ってしまいます。
本当に困っています。

自分に甘すぎるのではなく、自分に厳しすぎです。

自責と義務感が習慣化を妨げているのでは?

 

 

物事が続かないのは自責と義務感が邪魔をするから

 

「日記もダイエットも数ヶ月続けても数日止まるとダメになってしまいます

 

わぁ、せっかくここまで続けてたものが続かなくなっちゃうと悲しいですよね(;´・ω・)

ただ、この一文を見たときにちょっと、

「あれ?」

とも思いました。

通常は、数カ月も続けたものってすでに習慣化されていて、

そこでなんらかの事情で数日止まってもまた復活するものなんです。

ですがそうではない、と。

一旦止まったことで本当にそのまま物事が続かなくなってしまうということはこれ、

「物事を続ける力がないから(継続力がないから)」

というよりも、

「数日止まったときの自責と義務感が強いから」

なんじゃないか?と私は思いました。

ちょっとここについて説明していきますね。

 

 

人間の脳は義務感を抱くほどパフォーマンスが下がる

 

たとえば、「勉強しなきゃ」と思ったとします。

「私は勉強がしたい!」

という自発的な感情ではなくて、

「やりたくないけど、やらなければならない」

という義務感だったり、

「やらないのは悪いことだから、やれない私ってダメだし…やらないとな…」

と自分を責める気持ちから、やろうとしたとしますね。

人間ってこのように、義務感や自責という感情を抱いたとき、

その感情を抱いただけで脳の力がガックーン!!と下がるようにできています。

「やらなきゃ」

「やらない私はダメ」

そう思うだけで脳の「やるぞ」という意欲が大幅ダウンします。

で、やりたくなくなります。

 

 

このとき、脳はおかしな学習をする

 

そして、こうしてやりたくない…と思ったとき、人間の脳内ではドーパミンが分泌されます。

ドーパミンには、「人間の期待感を作る」という作用があります。

不思議な話なのですが、

「やらないと…続かないなんてダメだ!やらねば!」

というふうに自責や義務感を抱いたとき、

自分でも気づいていないけれど自分の脳内では、

「期待する気持ち」

が強くなっている、ということです。

 

 

で、こうして期待する気持ちが強くなっているときに、

「やらなきゃいけないけど…勉強はやっぱりやりたくないから…」

とつい漫画を読んじゃったとしましょう。

こうすると脳は、

「ワクワク期待してたらこの人、漫画を読んだぞ!

あー、漫画って期待を満たしてくれる、満足できるものなんだ~!」

というおかしな学習をします。

 

 

そして翌日、また「勉強しなきゃ…」と義務感と自責を感じたとします。

ここでドーパミンが再び分泌されます。

すると脳は、

「昨日、期待してたら『漫画を読む』という行為が来た。今日もこれから漫画だよね?わくわく…」

と期待しはじめます。

もう脳は漫画に対してワックワクのうっきうき。

そして、人はそれに逆らえず漫画を読んでしまいます。

すると脳は、

「ほらー!やっぱ漫画だねっ!満足満足♪」

となります。

この繰り返しで、

「勉強をしようと思うと、なぜかどうしても漫画に手が伸びてしまう」

となります。

 

 

質問者さまもこれじゃないかな?と思うんですね。

質問を読む限り、日記やダイエットなど数カ月にわたり続けていることもあります。

本当に物事を続ける力がないのならば、そもそも数カ月も続かないはずですし、

ベビーステップやスマホのアラーム活用、これもなんだかんだ言い訳をつけてそもそもやろうともしないはずです。

質問者さまが、

「え、ベビーステップ?アラーム?どうせそんなの無理無理やりたくなーい。

あーあ、誰か私の歯を磨いてくれないかなぁ?

人に歯磨きしてもらうためにはどうすればいいですか?」

とでも聞いてきたなら「自分に甘い人だなぁ」と思ったかもしれませんが、

そもそも質問者さまって物事を継続できるし、

するためにはどうすればいいか?といった工夫、実践をする行動力があるし、これを甘いとは言わないです。

むしろ行動力はある。物事を続ける力ならあるほうです。

 

 

自分への過剰な期待が物事を続かなくさせている

 

ただ、自分への期待値が高すぎるんだと思うんですね。

しっかり欠かさず続けないと!という意識(義務感)が強かったりとか、

ほんの少し思っていた基準に到達しないと、

「本当はもっとこうできたはずだったのにそこまでできなかった」

と自分を責めたりとか、なにかをやる前に、

「やるからには完璧に!」

「昨日できなかったぶん、今日こそ!今日こそ!!」

という意気込みが激しかったり、そういうふうに義務感と自責が強いのではないでしょうか?

 

 

ベビーステップもスマホアラームの活用も、

物事を続けるための方法としては良いと思いますが、

その方法に取り組むときの自責や義務感などが強いため、

方法に取り組む活力が奪われてしまってやれなくなる。

なので「明日やろう」と先延ばしにしてしまう。

先延ばしにすると脳は、

「期待してたら先延ばしがきた!先延ばしって最高!」

とへんな学習をするので、ますます先延ばしをしてしまいます。

そうすると先延ばししたことに対して以前よりも強い自責を抱きますから、

ますます脳力が下がり先延ばししたくなり、

すると脳は「先延ばし最高!もっとやりたい!」と学習し…、

の悪循環にはまってるんじゃないかと思います。

 

 

「続かない自分は甘い」ではなく「自分は甘いと思うから続かない」

 

質問者さまは物事が続かない自分に対し、

「そんなできない自分は甘いのだ」

と考えていますよね。

「物事が続かない」という事実があり、それに対して「私は甘いんだ」と思考している。

…と思っていると思うんですが、これは逆です。

「物事が続かない」という現実に至るまでの道筋はこうです↓

 

①私は甘い人間だという思考がある

②自然と「だからちゃんとやらねば」という義務感、「やれないのはいけないこと」という自責が生まれる

③その義務感や自責が大幅に脳の力を落とし、物事に取り組めなくなる

④先延ばししてしまう(脳内では「先延ばし最高!」というおかしな学習がなされる)

⑤先延ばししてしまったことで①私は甘い人間だ、という思考が強まる、つまり①に戻る。

あとは①~⑤までの無限ループ(←いまここ)

 

という感じだと思うので、ことの発端は「私は自分に甘い人間だ」という思考です。

「物事が続かない私は甘い」

ではなくって、

「私は甘いと思考するから物事が続かなくなる」

です。

 

 

数カ月続いたことが数日止まったとき、

「あ、ちょっと事情があって数日止まったな」

というふうにしか思わなければ特に支障もなく再開できると思うんですが、ここで、

「数カ月も続けたのに、止まった!!続けられなかった!!私はダメだ!!」

と強く思うから、その思考が原因で脳力がガツンと下がって再開できなくなるのだと思います。

 

 

ベビーステップはベビーになったつもりで

 

質問者さまはベビーステップをやっているとき、

「これで物事を続けられるようになって、ダメな自分から脱出したい」

というようなお気持ちでやってたんじゃないでしょうか?

継続力を奪う思考、

「自分に甘いのは悪いこと、もっと頑張らねば」

という思考を抱いたままに行っていた。

なので継続力が奪われてベビーステップが続かなかったのだと思います。

(スマホのアラーム活用が続かない理由も同様)

 

 

でも、そもそもベビーステップって、

「自分に甘くなろう、もっと頑張るのやめようぜ」

という趣旨の方法です。

赤ん坊はちょっとしたことをしただけで、わー!すごい!と喜ばれる。

なにかができなくたって、

「そんなの赤ちゃんなんだししょうがないよ、次があるじゃん!」

とOKを出してもらえるし、責められたりしない。

同じように、自分に高い水準を求めず、低い水準のことができなくても責めないで物事に取り組むことによって、

高い水準、義務感、自責といった思考を手放し、

それらの思考を手放すことによって脳が力を発揮しだすようになるので、

物事に取り組めるようになって継続できる、習慣化できる、というものです。

 

 

質問者さまとしては、

 

①ベビーステップをやる

②物事を続けられるようになる

③それによって自分に自信がついた

 

という順序で物事がうまくいくと考えていると思うんですが、ベビーステップって、

 

①ベビーステップをやる

②自責や義務感がなくなり自信がついてくる

③それによって物事を続けられるようになる

 

なので、②と③を逆に考えているため途中で詰まるのではと感じました。

 

 

「私は物事が続かない人間」という前提を手放して

 

質問者さまは、

「物事が続けられるようになれば自分を好きになれる、自信がつく」

と思っていますよね。

「物事が続けられるという現実」が訪れれば、「自分が嫌い」という思考を「好き」へと変えられる…という、

現実→思考の順で考えているのですが、引き寄せでは思考→現実です。

「私は自分が嫌い、私は自分に甘い、習慣化がとても苦手、一生変われないのだろうか」

この思考が行動力を奪い継続できない、という現実を生んでいるのですから、先に思考を変えるしかないんですね。

たとえば、

 

○やらなきゃ虫歯になる、と思いやっています

やらなかったときのデメリットをちゃんと理解してる私ってすっげー!!

 

○歯磨きを楽しもうといろんな味の歯磨き粉を用意したり

ここまで工夫できる私ってすごくね!?ここまでやってるんだから続いて当然だよね!

 

○数ヶ月続けても習慣化ならないので数日止まると

数カ月続けるとか私ってマジすごい!!数日しか止まらないなんて問題じゃないね!

 

○『今日はいいや』と、なってしまい

そうそう、今日くらいいいじゃん?どうせ私には明日できる力があるんだし~♪

 

とか、考え方を変えていく。

 

 

質問者さまは、

「私は物事が続かない人間」

というのを大前提としてをお話をしているんですけど、

引き寄せってその前提を変えることで現実を変えましょう、というものですから、

「私は物事が続く人間だ」

という考え方に変える、というのが対処法です。

「私はこれからは、自分のことを習慣化ができる人間だと思うことにするんだ!」

「私なら、継続などできて当然だ」

と考えるようになさってみてください。

 

 

そもそも本当に続けたいのか?についても考えてみて

 

あと、ここまで言っといてなんですが、

「そもそもその物事って、続ける必要あるの?」

ということも考えてみるといいかもしれません。

日記が続かなかった…とのことなんですが、日記ってそもそも続ける義務とかないんで、

続かなかったからって誰に責められるいわれもないものですよね。

「やってみたけどめんどいし、好きじゃないからや~めた♪」

でも良いことです。

 

 

一概に「物事が続くのはいつでもいかなるときでも素晴らしいこと」というわけでもないので、中には、

「あれ?これって本当に私は続けられるようになりたいことなんだっけ?」

「ただ、『物事は始めたからには続けるべきである』と思ってやろうとしてただけで、よく考えたら私、これ好きじゃないや…」

というものが混じってるかもしれません。

それについても考えてみてください、参考になれば嬉しいです(*´ω`*)

 

 

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管理人:岡野 真

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