現実無視と現実逃避は別のもの
今回は「現実無視」についてです。
引き寄せではときに、
「不都合な現実は無視しましょう」
と言われることがあります。
私も、引き寄せに取り組む上で現実無視をすることは大切だと思っています。
しかし、ときに自分では「現実無視」をしているつもりで「現実逃避」をしてしまっている場合もあります。
そこでこの記事では、現実無視と現実逃避の違いについて詳しくお話していきます。
「テストが0点だった」というときは?
私は現実無視と現実逃避を、以下のように分けています。
【現実無視】
目の前の不都合な現実を直視し、それでもなおその現実に屈することなく自身の理想を実現させることを選択し、不安や恐怖に支配されることなく、理想が実現された先へと目を向け続けること。
【現実逃避】
目の前の不都合な現実を直視することを拒み、自身にとって都合のいい解釈や言い訳をして不都合を認めまいとすること。
これだけだとちょっとわかりにくいかもしれないので、
「テストが0点だった」
という場合を例に挙げてみます。
【現実無視】
0点なのは残念だが、どんなに残念でも0点なのは事実だ。
今の私の実力は0点なのだと認めよう。
しかし、今は0点でもこれから100点を取ることはできる。
「どうせ無理かも」という不安や恐怖に支配されず、100点を取れる未来をイメージしてそこに向かっていこう。
【現実逃避】
私が0点だなんてそんなはずはない。
これは何かの間違いだ、私の実力はこんなものではないはずだ。
今回は忙しくて勉強ができなかったんだから仕方がないじゃないか。
私を忙しくさせた周りが悪いんだ、私のせいじゃない。
このような違いです。
現実無視のほうは、不都合な事実(テストが0点)を「でも実際そうなんだからそれは認めよう」と認めています。
そのうえで「でもこの事実は変えられる」という希望を持っています。
対して現実逃避のほうは、不都合な事実を「そんなの何かの間違いだ」と拒否していますね。
単に「現実無視しましょう」とだけ言われると、自分では現実無視をしているつもりで現実逃避をしている…となってしまうこともありますので、気をつけてみてほしいと思います。
「嫌われているかもと不安」というときは?
それではもう一つ、
「相手に嫌われているのではないかと不安だ」
という場合も例に挙げてみます。
好きな人がいるときなどは、こうして不安になることはよくあるかもしれませんね。
嫌われている事実がある場合
ではまずは、はっきりと相手から「あなたが嫌いだ」とか「もう関わりたくない」など、拒絶の意志表示をされている場合についてです。
「嫌われているのではないか?」という想像ではなく、はっきり「嫌われている」という事実が存在していますね。
こうして嫌われているという事実が存在している場合には、
【現実無視】
嫌われているのは残念だが、どんなに残念でも嫌われているのは事実だ。
それが現実なのだ、今実際に起きていることなのだと認めよう。
しかし、今は嫌われていてもこれから仲良くなることはできる。
「どうせ無理かも」という不安や恐怖に支配されず、相手と仲良くなれるイメージをしてそこに向かっていこう。
【現実逃避】
私が嫌われているなんてそんなはずはない。
これは何かの間違いだ、本当は相手は私のことを好きなはずだ。
きっと素直に私のことを好きだと言えないだけだ、そうだ私は好かれているんだ、嫌われてなどいないんだ。
嫌われているというのは残念ですが、0点の時と同じように「実際嫌われているんだからそれは認めよう」と一旦事実を受け入れることが大事です。
そのうえで関係の改善を目指していくのが現実無視です。
対して「こんなの何かの間違いだ」と、嫌われているという事実から目を逸らすのが現実逃避です。
嫌われているという事実がない場合
では次に、相手から「あなたが嫌いだ」という意志表示がされていない場合。
自分が頭の中で「嫌われているかもしれないな」と想像して不安になっているだけで、嫌われているという事実は存在していない場合はどうでしょうか?
この場合は、現実無視のやり方には主に2種類あるように思います。
【現実無視①】
私は不安だが、不安というのは「感情」であって「事実」ではない。
私は事実ではないものには取り合わない。
【現実無視②】
私は不安だが、不安というのは「感情」であって「事実」ではない。
私は事実ではないものには取り合わない…と言いたいところだが、どうしても自分の感情(不安)に支配されて「取り合わない」というきっぱりとした態度は取ることができない。
だから「今の私は不安に取り合わずにはいられない人間なのだ」という事実をしっかりと認めよう。
でも、今はそうでもこれから先は、不安に取り合わないでいられる自分になることができる。
「どうせ無理かも」という思いに支配されずに、不安に負けない自信のある自分をイメージしてそこに向かっていこう。
【現実逃避】
私は不安なんかじゃない。嫌われてるかもとか思ってない、相手は私を好きなはずだ。私は不安じゃない!
現実無視①のように、自分の不安を「それは感情であって事実ではない」と、きっぱりと切り捨ててしまうというやり方もあります。
ただ、私が引き寄せに取り組んでいる方を見ている限り、こうして不安を切り捨てようとしてもうまくできず、
「私は不安じゃない!」という現実逃避をやってしまっている方が多いように思います。
「私は不安じゃない!」というのは、実際は不安なのに無理矢理にそうではないことにしようとしていますね。
実際は0点なのに「私は0点を取っていない!」と言い張っているのと似ています。
私が思うに「それは事実ではないので取り合わない」というきっぱりとした現実逃避①は、
既にある程度自分に自信がある方、前向きな方、叶えるという決意が固い方ならばできるのではないかと思います。
しかし、自分に自信がない、すぐに後ろ向きになる、叶えるという決意がまだ固まっていないという方が無理に現実逃避①をやろうとすると、うまくできずに現実逃避になってしまうように思います。
そうして、
「現実無視①をやろうとしても、どうしても現実逃避になってしまう」
という方は、現実無視②のやり方がおすすめです。
まずは、
「私は現実無視①をしたくてもできないのだ、それが事実なのだ」
と事実をしっかりと認める。
そしてその上で、
「だが今はそうでも、これから改善していける。
私はこの先もっと自信のある自分になれる、不安に惑わされない自分になれるんだ」
と信じ、その実現へ向かっていく。
こちらのほうがやりやすいのではないかなと思います。
相手ではなく自分に意識を向ける
相手に嫌われているかもしれないと思えて不安だというとき、人はつい、
「どうやって相手に好いてもらおうか、どうやって相手を変えようか」
と考えがちです。
しかしその前に、
「そもそもなぜ私は、そんなにも相手に嫌われているかもしれないということを気にせずにはいられないのだろうか?」
という点に着目してください。
これはひとえに自信のなさ、自己肯定感の低さが原因です。
自分に自信がないまま「いかに相手に好いてもらおうか」と考えても、根本的な解決にはなりません。
まずは根本の解決をしようとする…つまり「自分に自信を持つ」ということに意識を向けてほしいと思います。
自信がつけば、そのぶん「嫌われているかも」という不安は減っていきます。
仮に本当に嫌われていたとしても「もうダメだ、私はもう終わりだ…」というような過剰なショックを受けることなく、
「そうか、それは残念だな。
しかし自分に改善点があるならばちゃんと改善し、相手との関係修復に努めていこう」
と前向きに考えられるようになります。
「嫌われているかもしれない」に限らず、何かに対して「かもしれない」という不安が強いという方は「自分に自信を持つ」ということに注目してみるとよいかと思います。
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事実を直視したうえで、理想の実現を信じるのが現実無視。
事実を直視することを拒むのが現実逃避。
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